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診療関係2018-06-12

危険な食べ物Vol.3 『ブドウ』

わんちゃん・猫ちゃんの中にはオーナーさんの食べているものに興味を持ち、食べたがる子もいると思います。
野菜やお肉等の中でも好んで食べたがるものもあるかと思います。
食べたがるからといって残念ながら全ての食べ物が安全というわけではありません。
今回は危険な食べ物『ブドウ』についてのお話しです。

わんちゃんにとってブドウが危険という認知度は、近年高まってきていると思います。

そしてわんちゃんほどではありませんが猫ちゃんもブドウは危険と言われています。
でも、猫ちゃんにはブドウがどう良くないのかは完全に解明されてはいません。
というのも、猫ちゃんがブドウを好んで食することがあまりないために、猫のぶどう中毒の症例報告があまりないことに原因があります。
しかし、犬にブドウが及ぼす危険性から猫ちゃんにとっても健康を害する可能性があると考えられるようになってきました。
真偽がはっきりするまでは猫ちゃんの食べ物からもブドウを除いた方が良いと思います。



わんちゃんがブドウを食べると急性腎不全を引き起こします。
接種後数時間で嘔吐が認められ、乏尿、無尿などに至ると死んでしまうこともあります。

「あれ?うちの子ブドウ食べても何ともなかったけど??」という方もいるかもしれません。

ブドウ中毒になってしまう摂取量の目安は体重1㎏に対して約20~30gほどと言われています。巨峰1粒の重さが20g程なので、体重4kgのトイ・プードルちゃんが巨峰を4粒も食べたら危険ということになります。小型犬でも数粒食べたくらいではまず大丈夫ということです。

しかし中毒量は摂取量だけではなく、ブドウそれぞれの含有毒性成分の違い、わんちゃんの感受性によって異なると考えられているため、少量でも注意が必要です。
つまり、前回は大丈夫でも次回も安全といった保障はないのです。

そして、『ブドウ』だけではなく、ブドウの加工品にも注意をする必要があります。
例えばレーズンやブドウジュース、レーズンパンやレーズンクッキー等々は食卓の上に上る機会が多い食べ物ではないでしょうか?
特にレーズンはブドウを乾燥させ、水分を飛ばしたものになりますので1粒あたりの成分も濃くなっていると考えられ、ブドウよりも少ない摂取量で危険と考えられています。

レーズンは菓子パンなどに含まれることが多く、オーナーさんが目を離したすきにわんちゃんが喜んで食べてしまうこともあります。
こういった危険な食べ物をわんちゃんの届く所に置かないのが一番の予防策です。

とはいっても、気を付けていても食べられてしまうものですよね(笑)

万が一食べてしまった場合は、催吐処置や静脈点滴など緊急治療が必要になりますので、まずはご連絡ください。